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VOL.1株式会社ユニマットプレシャス マリン事業
取締役 ハーバーマスター
末長 宏之

末長 宏之

末長 宏之(すえながひろゆき) 1991年、住友重機械工業株式会社入社。2011年より現職。いま最も欲しいヨットは、アレリオンエクスプレス。「アメリカ東海岸のクラシックなタイプ。頬ずりしたくなるようなデザインです。あれをセーリングできたらもう最高でしょうね」。

「この仕事の最大の魅力って、海に出られたお客様をお迎えするときなんです。今日はよかったなぁ、っていう気持ちが顔や態度からにじみ出てるんですよ。マリーナへ帰ってくるお客さんのあの表情がなんとも言えず好きです」
末長宏之は、ヴェラシスのハーバーマスターである。毎日何度も天気図をチェックし、気象予報士と連携を取って、海に出られるか否かの最終判断を下す。お客さまに対し、海での時間を提供する重大な責務を負っている。

「僕、海が大好きなんですよ。幼い頃に親父がよくドライブしてくれた」
姫路から相生へ、瀬戸内海沿岸に国道250号線が続く。通称“浜国”と呼ばれ、クネクネと蛇行したこの道を走ると沖に点在する離島が目に入る。この眺めが末長の原風景である。潮干狩りや魚釣りをして育った末長は、16歳で自動二輪免許を取得するとお金を貯めてオートバイを買った。
「今まで親父が運転してくれた道を自分で走りたいと思ったんです。あのときは感動しましたね」
神戸の商船大学に進学して船のエンジン構造を学び、造船技師として働ける住友重機械に入った。ところが末長を待っていたのは意外な仕事だった。時はバブル後期。事業多角化の一環で会社はマリーナ事業に踏み切った。末長はヘルメットをかぶり、安全靴をはいてヨットを売る羽目になる。
「僕ね、ずっと理系でしたから、ものを売るっていうのを馬鹿にしてたところがあるんですね。社内にも技術者のほうが偉いって風潮があったし、ヨットやボートを売るなんて楽な仕事だと思ってた」
ところが、船はいっこうに売れない。3年ほど辛酸をなめ、末長は悩み続けた。
「悩んで、悩んで、悩んで、本当に悩みましたよ。どうやったらいいんだろう? あるとき思ったんですよ。なんぼいい技術で船を造っても、買ってもらわないと会社は儲からない。ものを売るってすごく大切なことなんじゃないか」
25歳のときだった。当時、証券マンとして働いていた父親の言葉が今も忘れられない。
「親父がね、『お前にはヨットやボートというモノがあるやないか。俺には数字しか扱うものがないんだ』って言うわけですよ。泣き言いうなってことだったんでしょうね」
考え方を180度転換したとたん、船は突然売れ始めた。末長の海への情熱がマリーナの仕事に向かった瞬間だった。

末長と海との関わりは仕事を始めてから加速した。現在、ヴェラシスでマリーナ統括事業部長を務める西幸取締役とは、古い仲である。共に実業団のヨット部に所属し、一時はオリンピック出場を夢見るほどのめりこんだ。2人が主導でゼロから作り上げたこのマリーナは、末長にとって基地のようなものだ。
マリーナヴェラシスは、取り扱う船やサービス、環境など総合的に見て日本ではトップクラスのマリーナと評される。末長の目は今、世界に向いている。
「これからはオリンピックもありますし、世界のセレブがやってくるようになる。だから世界のヨットマン、ボートマンから『日本に行くならヴェラシスに行け』って言われるようになることが僕の夢ですね。『あそこなら自分たちがしたいことも全部やってくれる』っていう風に」
現在計画している浦賀の開発は、マリーナに付加価値をつけるいいチャンスだと末長は期待している。
「人生に潮っ気がないとダメなんですよ。海のない場所では働けないんじゃないかな」
こんがりと焼けた末長の顔から真っ白い歯が覗いた。

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